2015.05.28 09:032015/5/277963 やさしいひとばかりいるから困ります泣きたくなんてなかった朝に7962 会いたいか会いたくないかも見失い走り続ける最終カーブ7961 バランスが崩れてゆくの感情と現実の狭間で泣く踵
2015.05.28 09:032015/5/267960 さよならの儀式としてのおはようをいつもと変わらない朝に溶く7959 会えることただ会いにきてくれること優先順位を間違えながら7958 理由ならなかったあなただったのも今あたたかなこの腕なのも7957 攫われてしまえばいいかてのひらにすら触れられぬひとを手放し7956 熱をもつ覚悟には抗えなくて「迎えに来た」はずるい呪文だ7955 少しずつ少しずつ気付かないほどに疲れを積んで終える返信7954 もう一度名を呼ぶことを許したら崩れてしまう胸底の壁7953 少しだけ高めに透るその声が呼び捨てる名は甘くやわらぐ7952 きみといた記憶ばかりだ新緑のトンネルも積み上げた小石も7951 耳の奥取り残されたさよならを掻き消すために踏み込むペダル7950 予...
2015.05.28 09:032015/5/257949 会いたいと言わない 会えない現実を告げてくれないやさしいひとに7948 約束を滲ませてゆく簡単に消してしまえる文字列のひと7947 会えなくて嬉しいよ もうこれ以上あなたを好きにならずに済んで7946 今日すきと言わずいられた こうやって小さく淡く剥がれていくの7945 すこしだけ離れることが許されて「すき」と言わずに終える一日7944 はつなつはかがやきすぎる夕焼けを背にしたきみが見えなくなって☆7943 鮮やかに駆け下りる坂スカートの裾ひらひらと星を散らして☆7942 目覚めればいつもの教室 消しゴムとチャイムと初夏の背中のきみと☆7941 制服の背中が受けるぬくもりに隠せないほど照るアンタレス☆7940 重くなる目蓋閉じればきららかにふ...
2015.05.28 09:022015/5/247936 執着は示されていて愛情と思えば淡くひりつく肋7935 ことばすら送りあえない日常に記憶ばかりを並べて過ごす7934 映さないものを増やして閉じてゆくまぶたの裏に仕舞う傷跡7933 真夜中にホットケーキを焼いているお腹のなかでおひさまひかれ
2015.05.28 09:022015/5/237932 会うたびに黄色いお茶を飲んでいるきみを浮かべて選ぶ綾鷹7931 溜息は青く沈んでとめどなく零れ零れる液晶の上7930 全部全部あなたのせいだ さみしさもかなしさも今日青空なのも7929 あのひとの言葉はもはや宇宙語で今日も銀河の彼方から降る7928 さよならはしないできない誰よりもひとを愛した愛すべきひと7927 なにひとつ言えないことばを持ち得ない差し掛ける傘すら届かない7926 どれほどに傷つければ気が済むんだろう笑顔で芯を切り刻むひと
2015.05.28 09:022015/5/227925 小雨降る寒い春です改札の外にあなたを見つけるまでは7924 ほころんだ笑顔に淡くほぐされてこのひとだった胸に住むのは7923 歩き出すその手が少し遠いから鞄を撫でるだけの左手7922 前に乗るあなたが急に手のひらを重ねてゆらぐエスカレーター7921 たかが手がふれてるだけだ心臓がまるごと浮いて飛び立ちそうだ7920 窮屈に身を寄せ合って一つしかないわけじゃない傘を分け合う7919 雨のなか寄り添い歩く初めての肩をぶつけた夜を浮かべて7918 あの日からもう一年と幾月を遠いとなりで生きてきました7917 カラオケは五十分待ち 外は雨 ふたりでいられるため選ぶ場所7916 繰り返し繰り返し名を呟いていつかの街に探す古ビル7915 見覚えのある部屋...
2015.05.28 09:022015/5/217886 たゆたえば海綿のごとたくわえた鬱屈に染む月のない夜7885 こっそりとチラシを捨てていくようにさよならわたしに要らないあなた7884 かなしみはかなしみとして目をとじる金のシロップ滴る朝へ7883 やすらかに眠れくすんだ魂のしっぽを明日へすこし伸ばして7882 誰ひとりあなたを止められはしない偽りの嘆きばかり浴びて7881 見えないでいいものもあるやわらかなこころに不穏を抱くのならば
2015.05.28 08:592015/5/187880 ひとつずつ線を重ねるあなたとの未来をデザインしてゆくように7879 胃の奥でにぶく蠢く気懸りを口から産めばはつなつの羽7878 はつなつのオレンジピール浮かべたら愛おしい名を呼ぶ昼下がり7877 はなびらはすぐにこぼれる風よりもやさしくつよく捕らえてほしい
2015.05.28 08:582015/5/67873 窓の外賑わう世界のチャンネルを昨日のきみに合わせてたどる7872 軽く軽くふんわり笑って頷いていつかきみから飛び立てるよう7871 重すぎる心は迷惑ばかり積む風船ひとつ小指に結ぶ7870 リストからあなたを消して夜の空つなぐ星座はもう探さない7869 飛ぶことも輝くこともできなくて見分けのつかない小石に戻れ7868 水面を撫でるようただ滑らせる嵌まれば動けなくなる小石7867 ひとりじめできないことが正しくて初夏の川辺で小石を拾う7866 あの人をつくる細胞のそこここに刻まれてゆく他人のことば7865 少しずつ親しくなってゆく様を見ているだけの春の教室
2015.05.28 08:572015/5/57864 必要のない感情を取り出してゴミに出せたらきれいな夜だ7863 眠い目で眠れずに見る文字の川きらきらとあたたかでかなしい7862 手帳には気づけばかなしいかなしいとかなしい文字が並ぶかなしい7861 嘆くほど目を閉じておく喪失の夜が離別の朝になるまで