2011.04.27 01:19201104221745 色褪せて見えるのは雨のせいにしておこう水面(みなも)を埋める花びら1744 あの春と変わってしまったいまを抱き雨に流れる花びら、ひとり1743 ふたりただ離れて歩く眼に同じ桜は映る ふふふ、と笑う1742 桜色した春の日に触れられぬ指先すらも愛しい記憶
2011.04.16 09:52201104161738 沈みゆく青の深淵に囚われた君に届かぬやわらかな「すき」 ★(011:青)1737 気付かないふりをしてるねサヨナラを潜在意識は欲しがっている1736 「もう二度と会わない」と告ぐそれだけのことも出来ずに胃はまだ疼く1735 終わらせる覚悟はしてる曇り空等しく崩れた君の優しさ1734 春色の誤解を招く唇に引き寄せられた蝶で居て、君-----------------------------------------------------------★印のある歌は、題詠blog2010のお題に沿って詠んだものです。
2011.04.13 01:56201104121731 去る君の記憶のかけら散らばったこの街でまた咲き誇れ、春 ★(010:かけら)1730 忘れ去るために抱えた菜の花の黄色 この春はひとりで歩く ★(009:菜)1729 南北に伸びる国道 南へと向かった理由は君じゃないから ★(008:南北)1728 今度こそ終わりにするとの決心は何度その手に壊されただろう ★(007:決)1727 変わらないふりして違う二人称 強がりの君のサインに気付く ★(006:サイン)1726 左側ばかり気になる 乗り慣れた運転席で君を待つ駅 ★(005:乗)1725 君さえも見えなくなった嫉妬とか疑心黒々と視界は掠れ ★(004:疑)1724 青空に舞う桜花もう君と歩けないはずの公園ひとり ★(003:公園)1723...
2011.04.09 02:57201104081721 春色の頬に触れたくてさり気無く背伸びしてみる距離3センチ1720 こんなにも眩しい春だ桜とか菜の花だとか終わる恋とか1719 君の背を見送ることも出来ぬまま不意に転がる真白な終わり1718 空っぽにした脳味噌で溢れ出る恋でも詠みたい夕暮れひとり1717 どれどれと携帯の画面見せ合ったあの距離にだけ戻れない君1716 春空の白からひとつまたひとつ雫型した恋心落つ ★(001:春)1715 あまりにも馴染み過ぎてる君以外味わうことを拒絶する舌1714 完全か不完全かと問われればただ最愛であったあの日々-----------------------------------------------------------★印のある歌は、題詠blog2...
2011.04.08 01:09201104071713 なにひとつ変わらぬ夜に君だけが消えた心の風穴涼し1712 ふと頬に触れた感触目覚めれば春風連れ来る夢と花びら ☆1711 春風がゆるり攫った唇も君の体温で溶けゆく真昼 ☆1710 触れられた首筋じわり痺れゆき香り立つほどに開く花びら ☆1709 君の目を感じて染まる白肌にふわりさくらが告げる春恋 ☆-----------------------------------------------------------☆印は他の方への返歌として詠んだ歌です。
2011.04.06 16:06掌の温度お題:「夕方のコンビニ」 「手を繋ぐ」 「足音」夕方のコンビニは会社や学校帰りの人達で混み合っていた。賑やかな店内をはぐれた彼を探して回る。沢山の足音、接客の声、レジの音、そんな喧騒が混ざり混ざって、ふいに世界が揺れた。…瞬間、力強く手を引かれる。「こっち」握られた掌が彼の温度を感じて、これが恋だと告げていた。