蜂蜜

お題:「昼の廃墟」 「嘘をつく」 「蜂蜜」

照り付ける日差しに辟易しながら廃墟となった工場跡地を歩く。
昔、蜂蜜色の髪をした少女と走り回った秘密の遊び場。
走るたび髪が陽にキラキラと揺れて本当に綺麗だった。
「明日も遊ぼうね」
最後の日、彼女が初めて嘘をついた。
その嘘を嘘にしたくなくて、僕はまた今日もここに居る。

---------------------------------------------------------

蜂蜜の髪した少女は夏を駆け嘘ひとつ残し秋風と去る

KohagiUta

Kohagi Chihara|tanka & design|

0コメント

  • 1000 / 1000