2016.02.23 04:342016/2/118627 もう一度一から好きになってみる寝癖だらけの後ろ姿も8626 032:村/この村にひとつしかない雑貨屋の前のベンチで見上げる緑8625 031:防/どうしても防ぎようのない波でした青く心を染め上げられて8624 030:失恋/白日に損傷として届けます失恋休暇を許可願います8623 029:公/公園の青いベンチは空じゃなく深海 沈みこむわたしには8622 028:脈/脈絡もない恋でした唐突に火花が散って始まるような8621 027:どうして/薄墨に沈みこむ街 好きなんてどうして言ってしまったんだろう8620 026:向/薄紫色のカーテンゆれている息もできずに向かいあう部屋8619 025:膨/風化したことばを選ぶ空っぽの心が淡く膨らむように
2016.02.19 01:48歌会たかまがはら2月号採用歌◎歌会たかまがはら2月号お題「オノマトペ」ゲスト:ナイス害さん司会:天野うずめかなしさの逃げ道としてびりびりとストッキングを裂きながら履く(ナイス害さん選/放送内採用)
2016.02.11 07:492016/2/108618 024:田舎/またひとつ消えゆく田舎 今朝からは木造じゃない灰色の駅8617 023:肘/世界中ゆうやけ色につつまれてあなたの肘にいま触れる肘8616 022:御/金色の「御出席」には線を引く おめでとうしあわせにならないで8615 わたしの、とぎゅーっとしたくてできなくて指の間から零れるプリン8614 021:ハート/何もかも知っているよと目を閉じるハート模様を背負う白猫8613 020:含/二月にもかすかに春は含まれて空へ空へと膨らむ木の芽8612 019:幅/前をゆくチャコールグレーの肩幅を目の奥深く焼きつけ歩く
2016.02.11 07:492016/2/78611 018:荷/荷ほどきの手をとめ窓を開け放ち卵色した春を呼び込む8610 017:誤解/誤解なきよう金赤はカーマインではないわたしもあなたではない8609 016:察/思いつく限りの緑で作られた診察室に眠る戦略8608 015:盲/手さぐりで触れて手さぐりで突き放す盲目だったと白い言い訳8607 014:タワー/カラフルなことばのタワーを積み上げてわたしに春を連れてくるひと
2016.02.11 07:492016/2/68606 013:伏/ファインダー越しに捕らえる伏せがちなガラスに架かる褐色の月8605 012:卑/新緑は卑怯じゃないか泣き出したきみをふちどる正しいひかり8604 011:平/冬枯れの国道沿いに咲く色を数えてゆけば 平気 歩ける8603 010:容/寛容の海にたゆたう仄白い月の視線に撫でられながら8602 009:たまたま/たまたまです 出会ったことも好きなのも白髪をからかい合う日常も8601 008:製/鉄製の赤いバッグを食い込ませ満員電車で向かう戦場8600 007:厳/厳かにやさしく白くあたたかな肉まんひとつ分け合う夜更け8599 006:及/ああ黒に及ぶべからずじわじわと広がる闇を湛えた腹部8598 005:移/新しい鉢に移せば芽吹くのか灰...
2016.02.11 07:472016/2/18591 しあわせの数は決まっていてあとはさみしさだけを消化する日々8590 かなしさの溢れる目蓋なにひとつかなしむことのない温い部屋8589 星ひとつ夜空に返す 眩しさを手放す理由にしていいですか8588 繋がりはいつか断たれる脳内で幾度も告げてきたさようなら8587 しんしんと深くなる闇 手放しているのはたぶんさみしいわたし8586 真夜中の孤独が過去を切り裂いて必要もなく目ばかり冴える
2016.02.07 14:08短歌人関西歌会短歌人関西歌会2月7日(日) 13~17時@京都村田馨さんにお誘いいただいて、結社「短歌人」の関西歌会へお邪魔してきました。とあるプラザの二階の会議室…重厚な二重扉…ふかふかの絨毯に、国際会議か!というようなU字型にならんだ机…大きな(大きすぎる)会議室…しょっぱなから気後れしていたところ、「普段はこんなところじゃないのよ、今日はここしか取れなかったの」とのことでした。C=(´o`;)ホッここの歌会のシステムは、詠草を一週間前にメールで提出、数日後に自宅にプリントアウトされた一覧と投票用紙が届く…というもの。(わたしは個人的な事情により村田さんからメールで詠草一覧をお送りいただきました。お手数おかけしました…)歌会前に、事前に3首選んで記入しておいた投...
2016.02.01 04:542016/1/318585 インナーを選べば抽斗の奥で失くした恋が主張してくる8584 星が降るくらいの中途半端さできみを運命なんて名付けた8583 真夜中にぽろぽろと零れる歌のその輪郭をさがして眠る8582 距離を置く作戦実行中ですが月がきれいで話がしたい8581 途中まで小さな火種だったのに消せないきみが燃える手のなか8580 とりあえず生中と言うとりあえず大人になってしまった僕は
2016.02.01 04:532016/1/308579 このスープ飲み干したあとどこへいく二人に見えるんだろう僕らは8578 さみしさを音にできない人種です深夜ひとりで啜るラーメン8577 ラーメンがほぐしてくれるまだ少し昨日の喧嘩を残す胃の内8576 誰にでも大切なものがあるようにひっそりと取り置かれるメンマ8575 本当は腹黒いんだと自嘲してきみはとんこつスープを啜る8574 いつだって何をおいても気遣ってくれるあなたと食べるラーメン#らーめん香澄短歌コンテスト へ投稿しました。
2016.02.01 04:512016/1/298573 さようならやさしく見えていたひとに告げないままのやさしい別れ8572 好きでいてくれなくていい夜更け過ぎ冬のことばを零していたい8571 沈黙を美徳とされて残された自由は泣きながら眠ること8570 冷えすぎたことばは喉を通らずに左の肺を凍らせ眠る8569 もう何も言えない流れゆく文字の川辺でひとり膝をかかえる
2016.02.01 04:502016/1/288568 濃厚な脂肪と糖でできているおとといやっと重ねた恋は8567 丁寧にわたしと君とではんぶんこしてみませんか心と身体8566 まるで春 知らぬ間に吸い寄せられるようにあなたを見つけてしまう8565 天国のようやわらかに咲きほこる君が住みつく僕の脳内8564 少しだけ疲れてもいい休んでもいい毎日を愛することを