2014.12.31 05:572014/12/307084 失くすことばかり思えば冷えてゆく指、感覚のないうちに解け7083 あまりにも強すぎるときそれ以外ことばは見つけられず あいたい7082 歌にすらならない声を散らかして独りに沈む夜の寝台
2014.12.30 09:262014/12/287080 わたしなら独りでもいい普通ではない距離感を忘れるために7079 契約は忘れてもいいどこまでも自由にすれ違っていていい7078 ほかの子を舐めとるくちでキスを請うきみを赦して降る冬銀河7077 足跡のない雪原のよう独り愛などないと呟きながら7076 その指で触れるのですか弾力を失くした肌を比べるように7075 思考から消してしまえば波のない心は冬のしずかな枯野7074 嘘が下手だからすべてを打ち明けたのちに旅立つひとを見送る
2014.12.30 09:262014/12/267072 甘やかにもたれるひとを間違える午前三時の微睡みの果て7071 じんとした頭でひとり夜を食む誰が愛してくれているのか7070 心には住めないけれど喚ぶひとの夢のかけらになりにゆきます7069 どうしたらいいのでしょうね僕たちは ただベクトルの向きを違えて7068 話し合う果てに知ること知らないでいたなら少し君を憎めた
2014.12.30 01:26歌会たかまがはら採用歌 2014年◎歌会たかまがはら1月号お題「風」ゲスト:木下龍也さん 司会:天野うずめさんいつまでも君だけを見ていられない素直にゆれている風見鶏(木下龍也さん選/放送外)よそ行きの、風邪の、いつもの、耳元の、すべての声をほしいと思う(木下龍也さん選/放送外)ひとしきり吹き抜ける風ともだちに戻るってたぶんこんな感じだ(木下龍也さん選/放送外)---------------------------------------------------------◎歌会たかまがはら5月号お題「選」ゲスト:黒瀬珂瀾さん 司会:天野うずめさん新しいピアスを選ぶきみと居た冬のわたしを忘れるために(黒瀬珂瀾さん選/放送外)別々に歩き始める場所として選んだ雨の日の喫茶店(天野うずめさん選...
2014.12.26 13:27文フリ参加本への寄稿作品秋の文学フリマで販売された企画冊子3つへ寄稿しました。『お詠みなさい』★イラストお題 連作「銀色レンズ」7067 しあわせな朝の記憶を記録するレンズにそそぐ銀色の秋7066 改札で七時三十六分の波の向こうに見慣れたスーツ7065 見つけたらほころぶ顔を知らないで手を振るひとにまたひらく花7064 あたりまえみたいにゆびは囚われてしずかな南広場にゆれる7063 隣り合うことは必然なのだろうひとときたりと離れない手も7062 髪のなかくぐらせる秋のゆびさきをあたためますか頬の微熱で7061 小さくてたった一度のしびれです心臓に痕を残すくちづけ7060 一時間きりのあなたを攫うため電車はたぶん正しい きらい7059 鏡面に立つあのひとはさっきまであなたが髪を...
2014.12.26 08:072014/12/237032 もうずっと会えなくていい痛みだけ治らないよう深く刻んで7031 指先も髪もなにもかもなにひとつ残らず誰かのあなたを撫でる7030 二文字はもう言えなくて笑うだけ 楽しかったよ(すき)またね(すき)7029 サンタにはならない腕を抱きしめる終電前に手を離す人7028 ぼんやりと空っぽの枕元を見るサンタのいないひとりの朝に7027 好きだとは言えなくなって明け方の冷えた空気に微熱を溶かす
2014.12.26 08:072014/12/227026 イメージの違いはあれど王子様だと知っている手の甲のキス☆7025 話したいなんて言えずにきみの名を追うほどながく横たわる夜7024 いつだってうるさいくらい愛してる愛してるってことばにさせる☆7023 あなたではないわたしわたしではないあなた わからないことしかないの7022 ぼんやりと視界漂うかなしみに名付けられれば晴れる雨雲7021 声さえも掛けずに通り過ぎるとき虚しさひとつ噛み潰す背は7020 触れないでほしいと願う罪もありこころを空にする寒い部屋7019 経年にずれてしまった噛み合わせちいさく治すためのおはよう
2014.12.26 08:072014/12/217018 甘やかなことばの櫂に流されてわたしじゃなくていい人に着く7017 しっかりと押さえつけていて余所見などできないくらいやさしく甘く7016 いつだってダメになるのはこんなときぼんやり映す深い星空
2014.12.26 08:062014/12/207015 てのひらの中で悲鳴をあげながら意味を失う心の種は7014 「会わない」を選ぶふたりになるなんて温度差2度の夜にふる雨7013 会えないと知っているから目を閉じる可能性なら見えなくていい7012 名前すら目にしない日が続くから閉じて開いて明滅の窓