20110912

2037 「月が綺麗ですね」「そうだね」やめとけばよかった 意味を探して夜更け

2036 「月が綺麗ですね」と投げてみて何も知らない君に告白ごっこ

2035 どんなにか見つめてたってあの月はもう君を映さないと知ってて

2034 月とキス関係性を思案する 擦り剥いた恋を忘れるために

2033 肩越しに「よかったね」って笑う月 君と初めての口づけのあと

2032 あと少し近付けずいる公園で月を見る君の横顔、今だ

2031 こんなにも明るすぎる月夜のふたり隠れてキスもできやしないわ

2030 レンズ越し見上げた月は二重三重ぶれたわたしの軸とおんなじ

2029 冴え冴えと眠れぬ窓辺やわらかに寄り添う月の優しさに堕つ

2028 まだ月は見上げられずに部屋の隅ひとりで白く丸くなってる


2027 腰に添えられた手のひら戸惑いを隠せないのは空っぽだから

2026 恋の只中に居る君 温度差を埋められず口角だけ上げて

2025 左手を繋ぐ相手がいる君の右手の小指に触れてみたくて

2024 知らぬふりした日常を追いやって君の前でだけ解き放つ性 ☆

2023 冷えてゆく空気とともに心ごと春が来るまで凍らせておく

2022 この月を君も見上げているのだろう僕とは違う恋をいだいて 改

2021 同じ月見上げて君との約束を指折り数え満ちるを待つ夜

2020 「ほら月がきれいだよ」って同じ空見上げる今が最適な距離

2019 この月を君も見上げているのだろう違った恋を抱きしめながら

2018 数年後笑って思い出せる日が来るかな こんなに揺れているいま

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☆印は他の方への返歌として詠んだ歌です。

2028以降はこの日の夜催された質より量の歌会「TANKAmore」に詠んだ歌です。
テーマは「月」でした。

KohagiUta

Kohagi Chihara|tanka & design|

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