溺れる

お題:「深夜のスタジアム」 「溺れる」 「花火」

ドライブの帰り、誰も居ない深夜のスタジアムの駐車場に車を停めた。
静かな車内、緊張のあまり気まずい沈黙が流れる。
彼女がぽつりと呟いた。
「…もう…溺れそう。息が出来ないよ…」
まるで息継ぎのように搾り出された掠れたその声を聞いた瞬間、僕の中で遠く花火がはじける音がした。

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沈黙に搾り出された君の声掠れるほどに深く艷めき

KohagiUta

Kohagi Chihara|tanka & design|

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