2015.02.26 00:322015/2/257596 透明なあなたをすこしすこしずつ濁してしまう「好き」を刻めば7595 少しだけ特殊でしょうね靴下を片方ずらし見るだけなんて7594 花束と指輪と「迎えにきたよ」っていつでも夢の中のあなたは7593 忠告はありがたいけど支流には支流にだけのやさしい景色7592 何倍にしてもすべてを得られない常にあなたの五割は他人7591 ありがとう わざわざ教えてくれずとも知っていました二番目なのは7590 踏み込まぬように鍵だけかけておくやさしいきみと向かい合うとき7589 100:願/ただ笑い泣いて退屈して日々を手の届く距離であれと願う7588 099:聴 /聴くたびに深く心に突き刺さる痛みもあまい無防備な声7587 098:独/おそらくは単独犯の仕業ですひ...
2015.02.26 00:322015/2/247574 085:化石/ああこれは化石でしょうかおそらくは三年前に失くした恋の7573 084:錦/あでやかな錦糸でゆびを繋がれていたはずのひとにもらう嘲笑7572 083:憎/憎しみのひとつひとつを羽にして手放していく晴れた屋上7571 082:佳/佳き日です いちごを落とし傘はなく彼女ができたと知っただけの日7570 081:付/付帯する痛みは標準仕様ですあのひとを手に入れるからには7569 どれほどに傷をくれるのただじっと耐え続けても春は見えない7568 傷つけば痛みは痛み嫌われるべき人間と自覚はしてる7567 事故ほどの唐突で渡された傷に手当てをすればまた増える傷7566 ひたすらに耐えるしかなく立て置いた硝子に投げられてしまう石7565 なに...
2015.02.26 00:312015/2/237564 青色のインクをたっぷり含ませて綴れば伝わるさみしさですか7563 ぽたぽたとインクは零れ届かないきみへ宇宙を届ける手紙7562 080:標/行く先は見えないままに道標のようなあなたが教えるひかり7561 079:筆/限られた不自由に抗うように君から届く春の筆跡7560 078:ソース/思いつく限りのifを書き足したソースコードで挑む告白7559 077:等/現実はきみの二割も得られずに等身大の枕と眠る7558 076:舎/失った恋を持ち寄る学舎の乙女らに降れあたたかな雨7557 075:短/短命な魚のようだひらひらとおびればかりが華麗な恋は7556 074:唾/唾液すら愛おしいほど遺伝子を渇望してる仄暗い舌7555 073:会場/会場に泳ぐあ...
2015.02.26 00:312015/2/227554 072:諸/諸事情によりこの先は立ち入りを禁じてるので目は閉じません7553 071:粉/粉末のココアにまみれ切り刻む届かなかったチョコも言葉も7552 猫のように狡くなりたいあのひとを諦めきれないわたしでいたい7551 ほんの少し眠る姿を見ただけであなたをすべて得た気になった7550 猫を抱く夜を数えてつかの間をいつかに変える日ばかり思う7549 また同じ過ちを得る偽りの愛で仔猫を抱きたいひとは
2015.02.26 00:312015/2/217548 あの頃と変わらないのはあなただけもうお兄ちゃんなんて呼べない7547 満たされた真昼も孤独散る夜もこころは絶えずあなたへと吹く7546 眠れないことを諦めやわらかに猫を撫でます代用として7545 呼びかけるたびに返事をしてくれる恋人よりも律儀なしっぽ7544 ふと見れば「ねこのひらき」になっているいのちに信じられ生きている7543 海よりも深い感嘆散りばめてあなたは沈む奥の奥まで☆
2015.02.26 00:302015/2/207542 ご覧、また東の空から僕たちの瞳と同じ月が昇るよ7541 この星で僕らはいつまでこうやって月を眺めているのだろうね7540 ぴかぴかと鱗はひかるこの星の最期の月のひかりを浴びて
2015.02.26 00:302015/2/187537 070:本/嘘ばかりもらったせいで本物の恋にちいさく傷をあたえる7536 069:銅/銅貨まで割り勘で出るラブホテルきっちり生きているはずだった7535 仮初めの恋でもいいかイランイラン女だったと思い出させて☆7534 068:煌/誰ひとり祝福しないこの街の煌きあつめおく薬指7533 067:府/手をつなぎゆく府庁前きんいろの記憶がきみを忘れさせない7532 だってもう処分するしかない恋だ手には余るし行き場もないし☆7531 ツナ缶を開ければ飛んでくる猫に呼ばれ続けて生まれるサラダ7530 066:缶/缶詰で指先を切るほとばしる赤はこんなに生きろと踊る7529 そんなもの欲しいだなんて誕生日だけわたしからあげるくちづけ7528 065:スロー...
2015.02.26 00:302015/2/177517 ふるふると月も滲んで眠れない夜にあなたの代わりのココア7516 最果てのほとりの部屋で雨粒はふたりをほどくシロップになる7515 060:孔雀/派手な羽根などに興味はありません孔雀よ見せよ震えるこころ7514 059:税/二つ以上欲しいなら課税対象です。一つで充分でしょう、恋など7513 大丈夫、大丈夫ってだきしめてくれるからまた朝を信じる7512 夜更けごと傷はひらいて疼き出すだいじなひとを困らせるほど7511 嘘しかない世界に突き落とされたようたくさんの嘘をもらったせいで7510 おやすみの間際に触れられないキスを文字で交わせばいつもの夜更け7509 おやすみは少しさみしいおやすみとあなたに言えることはうれしい7508 呼ばないと決めたの...
2015.02.26 00:292015/2/167503 058:士/博士なら解いてください数式で息ができないほどの熱量7502 お互いのすべてを溶かし合う夜をいつかの日々に重ねて生きる7501 持ち帰れないチョコレートくちびるで分け合うあまい二時間の部屋7500 お日様の下ではいられないふたり雨の夜にはいけないことを7499 胃薬をたくさん飲んで眠ります明日にはすこし笑えるように7498 もうだれも信じられなくなる前に連れ戻してよ手首の熱で7497 ただきみの手が声が欲しいあたたかなことばで棘を抜いてください7496 寂しさを片刃のナイフが哭く部屋でしずかに傷を見つめて歌う7495 くちびるをあまく染めたい肩越しにさみしい雨を降らせたあとは7494 おいで、ってずるいことばが雨粒を鱗に変えて痺れる...
2015.02.26 00:292015/2/157489 おはようの「お」だけを何度も繰り返すあまいふたりがはじまる朝に7488 鉄線で切り裂くように言葉だけやさしくあまく白い笑顔は7487 日曜日なんていらない月曜の朝がこんなに好きなわたしは7486 夜の国では忙しい孤独とか弱さを星にして空に貼る7485 やわらかな声を聴きつつ目を閉じる会えない夜の眠り薬に7484 かなしみの雨ばかり降るこのあいだ貯水タンクは空にしたのに7483 こんなにもしがみつきたい夜ですが次会う日までチャージしておく
2015.02.26 00:282015/2/147482 矢のように過ぎ去ればいい抱きしめる声にすべてを話せる日まで7481 崩れてはいけないときだ体温を持つ文字たちを繰り返し読む7480 話したいことばかりあるそしてそれ以上に触れたいとばかり思う7479 痛みだけ与える音が溢れだし価値も持たないわたしを包む7478 057:析/分析をお願いしますこの好きは親しみ、友情、敬意、それとも7477 ただじっと耐える夜更けにあのひとをもう呼ばないと決めたのだから7476 056:リボン/失ったリボンを探すこのゆびときみとをゆるく結んだ夜の7475 055:夫/冷ややかな夜を流離い掃除夫は吐き捨てられた恋を弔う7474 054:踵/やや淡く傷ついているすこしだけ逸れた踵をきみへ揃える7473 053:腐/も...