2015/2/25

7596 透明なあなたをすこしすこしずつ濁してしまう「好き」を刻めば
7595 少しだけ特殊でしょうね靴下を片方ずらし見るだけなんて
7594 花束と指輪と「迎えにきたよ」っていつでも夢の中のあなたは
7593 忠告はありがたいけど支流には支流にだけのやさしい景色
7592 何倍にしてもすべてを得られない常にあなたの五割は他人
7591 ありがとう　わざわざ教えてくれずとも知っていました二番目なのは
7590 踏み込まぬように鍵だけかけておくやさしいきみと向かい合うとき
7589 100:願／ただ笑い泣いて退屈して日々を手の届く距離であれと願う
7588 099:聴 ／聴くたびに深く心に突き刺さる痛みもあまい無防備な声
7587 098:独／おそらくは単独犯の仕業ですひとつしかない心ですから
7586 097:騙／騙されることの必然　春だとか恋してるとか君だけだとか
7585 096:賢／いつだって賢いきみの言葉から逃げ出して住むまだ冬の街
7584 095:申／申請の書類を整え傍らで生きる準備をしている　ひとり
7583 094:腹／人生の中腹辺り今やっときみが偽物だったと気付く
7582 093:わざわざ／春なんてわざわざ教えてくれなくていいよ心にマフラーを巻く
7581 092:徴／徴候は漂っていた会いに行くことが僅かに面倒だとか
7580 091:略／いろいろを省略すればほぼ妻と呼んでくれてもいいはずの春
7579 090:山／山盛りの愛を惜しまず注がれて行き場を失くす「さよなら」の文字
7578 089:マーク／身勝手な独占欲だキスマークだけを残して消えてゆくひと
7577 088:炭／空色の炭酸水を飲み干せばもう過去になる体内の熱
7576 087:当／当分は名前も持たず傍にいるいつか恋だと名付けてほしい
7575 086:珠／気付かない真珠くらいの純粋を胸に育てて横顔を追う