2014.12.26 08:062014/12/177007 降り立ったこのホームではわたしたち間違いのない景色になれる7006 当然のように鞄を奪われて(きみがだいじだ)音のない声7005 真隣で触れそうな手がこわいから無闇に言葉ばかりを放つ7004 約束の車両を大きく間違えるうっかりまでも愛しさとする7003 何気ないおはようの声に振り向けば特別な日がふわり始まる7002 満席の記名にはいつもあなたの名おなじ苗字として入る店7001 いつかくる終わりを口にするたびに「そういうの好きだな」と笑って7000 価値観の似ていることは強さたるひやかしながら売り場を巡る6999 歳末のデパートをゆく約束のできない指を囚われながら6998 後ろから包み込まれる心地して少しもたれるエスカレーター6997 開店と同...
2014.12.26 08:042014/12/96980 いまきみに会える誰かに嫉妬する遠い記憶の熱を失くして6979 目を閉じて息を吸い吐きぼんやりと見える世界に不在のあなた6978 正しくて正しくはなく天鵞絨の夜に秘密を小さく留める6977 「すき」以外言えないくらい押しつけてあなたに埋めてくれたっていい6976 手を引いていてよ気儘に踊りだす爪先までも今はあなたの6975 裏切りの文字ならふたり刻まれて目を閉じたままゆくだけの道6974 傾いてしまうふるえる耳朶があなたではない露を孕んで6973 なにひとつ言わせない正しい腕でゆれないように縫い留めていて
2014.12.24 02:46毎日歌壇 2014.12.22毎日歌壇 2014.12.22 加藤治郎選 に掲載していただきました。てのひらの液晶ですべて片づいてしまう手ざわりのないくらしは毎日歌壇、四度目の掲載。前回から一ヶ月ぶりです。クリスマスプレゼントをいただいたような気分(*´ω`)♪
2014.12.09 07:002014/12/76972 降る雨は途切れず砂に消えてゆき積極的なさよならをする6971 もう二度と会えないままで分かたれるほどの隔絶ひとつください6970 あたらしい手のひらは差し出さないで繋げばひとつまた陰を生む6969 冷静でいられるうちに手を離すなにもかもなにもかもなにもかも6968 存在は砂が舞うごと消えてゆき離れることも選べるいまだ6967 ぴんと張る日々に小さな針穴のような秘密を得る午前二時
2014.12.07 04:292014/12/66966 選ばれて流れて切れて選ばれてそうして5人目になるあなた☆6965 おそろしく長い夜です眠ること投げ出しなけば落ちてゆく羽根6964 しめつけるしめつけるこれが切なさというものだろう息を吐くたび6963 運命は変わったかもね3つめのピアスにふれる新しいゆび6962 わたし以外誰もわたしに期待しないやさしい世界で叫んでいます6961 すこしだけ怒られることが嬉しくてきみのわたしを大事にしない6960 今ならばもういいよって手離せるその瞬間に逃げてください6959 テラス席ひとりビールを飲むひとのスーツの背中みたいな夜だ6958 やわらかに崩して欲しい頑なな漢字ばかりが並んだメール6957 たくさんの人に会えてもきみにだけ会えない日々に彩度を失くす...
2014.12.06 03:462014/12/56948 もう眠ることしかできない病です帰ってこないひとは待たない6947 痛む喉で叫べばなにか変わりますかすべてを見失ったと知って6946 憤りなんて感じていることが憤りです荒れすぎた指6945 吐き出せる器もなくて濁流にひとつふたつと混ぜ込むしずく6944 許されていることと許すべきであることを強要されて日常6943 何度目の「好きにすれば」だろうここは許されすぎる乾いた部屋だ6942 熱病を患うひとに剥く林檎ひえてしまえよその液晶も☆6941 4ミリのフロントガラスは隔てなく朽ちかけた身も守ってくれる6940 眠い目をこすってみればあたたかな冬の向こうに水彩の雪6939 落ちゆけばめぐみ、と声を掛けられて雨に生まれてよかった来世6938 医療費の...