2014.02

5522 ありがとう　すきだよ　だいすき　何度でも繰り返すけどなにも足りない5521 カフェラテがあたためてくれる指先にあなたのためのネイルは欠ける5520 凍りつく両手を冬に晒してるこのまま心まで冷えてゆけ5519 東へと向かう電車がゆくこんな時間にいるはずないけど探す5518 ふすふすと雪に指先埋めてゆく触られた日も記憶もこおれ5517 馬鹿でしょう好きなんて会いたいなんて本気で泣いてしまうだなんて5516 たったふた文字の「す」と「き」でこんなにも目から溢れるあたたかな自我5515 ぐずぐずと鼻をすすって「風邪だから」顔が見えないこともいいこと5514 室温も肌を刺すからやわらかな毛布を君と仮定し潜る5513 すれ違うことに慣れてゆく雪の日は想い...
5506 据え置きの薄膜に吐き出されてるゴミとなるものもきみだ、愛しい5505 こんなことしてるんだって突き付けて鏡は捕食現場を見せる5504 たぶんこれゆめじゃないかな白昼のあなたに肌を攫われている5503 広すぎる鏡にふたつの肌と肌重ねておとなみたいだ僕ら5502 どの部屋も煙草臭いから思い出す目の前にいるきみじゃないひと5501 三階に着くまでに腰を引き寄せてほんとはこわいなんて言えない5500 キスひとつするためだけに入る部屋　青空のした手も繋げずに5499 016:捜／捜索を始めます少し意地悪なひとを震わすスイッチの場所5498 見下ろしたキスをひとつだけしたあとは主導権ごとぜんぶをあげる☆5497 015:艶／ぱさついた髪であなたに揺れてい...
5494 髪にキスするのが好きなきみのため汗はかけないから遅刻する5493 013:実／現実があるからこんな二時間があるのだ今だけ奪い尽くして5492 012:延／延べ時間換算すれば出会いから一ヶ月にも満たない愛だ5491 011:錆／錆びてゆくこころもあると知っていてあなたは甘い雨を降らせる5490 010:倒／倒れ込みたくなる足を硬くして隔てるドアが閉じるのを待つ5489 009:いずれ／いずれくる日までは気づかないでおくあたたかなこの手の消えること5488 008:原／原色の部屋にはどこか溶け込めずくすんだたましいふたつで揺れる5487 007:快／快晴であれこれからのきみのゆくわたしのいない道のすべてが5486 006:員／ほっぺたの筋肉を総動...