2015/2/10

7446 僕たちは毎日別れを繰り返す「じゃあね」「またね」の文字を並べて
7445 丁寧に丁寧にひとつキスをおく「ちゅ」文字列に熱を灯して
7444 どれだけの人が行き交う日々だろうたったひとりを見つけ出すため
7443 感情が伴わずとも契約は果たされるべき日常として
7442 もう一度となりを歩く遠い日がくることはくる望まなくとも
7441 確かめるすべはないけど裏切りの日々も過ぎればゆるやかな過去
7440 手遅れじゃないのでしょうか久々に君と話せば穏やかな夜
7439 来るたびに記憶は還るこの部屋の玄関ドアが孕んだにおい
7438 それなりに片付けられた一部屋とわたしのために開けられた窓
7437 カフェラテは代わりにならずベランダで白煙は立つ拒絶のように
7436 一本を吸い終わるまで置き去りにされることにはもう慣れていた
7435 ごめんって言ってばかりね 手を洗い口を濯いで触れてくるひと
7434 喉の奥残るにおいも挿し入れる舌もあなただ浸されるだけ
7433 乾ききる夜更けにはもう嗅覚も麻痺するばかり混ざり尽くせば
7432 ベランダに煙吐く背を眺めてる汗と唾液にまみれた部屋で

KohagiUta

Kohagi Chihara|tanka & design|

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