2015/2/9

7431 ほんの少し話せば晴れてしまうのだ暗い不安もさみしい雨も
7430 もう消えてしまおうかいとしいひとを苦しめるばかりの存在は
7429 あのひとのわたしであるということの証に揺れる退色ピアス
7428 きっとすぐ忘れ去るはず熱情の二分の一は混濁の自己
7427 050:答／回答は完全に且つ簡潔に昨夜零れたあの告白へ
7426 049:尼／僕たちが離れ離れになるための尼崎駅乗り換え通路
7425 048:負／名を呼べば負けだと思うやわらかな月のひかりに閉じ込める声
7424 047:四国／四国まで行こうと言ったあの春を抱いてひとりで渡る島々
7423 生涯を閉じるときには傍にいて 細かな世話はしなくてもいい
7422 影ならば二分の一のかたちしか持たないきみの持ち得る無限
7421 どちらかが正しさなのか黒と白並べて惑う弱いゆびさき
7420 届かないから掴みたくなるのでしょうもう遠すぎる青い春でも
7419 隣り合うため諦めたいくつかの憂いを抱いていま熟れてゆく
7418 飛び立ってみたい真昼の公園でつばさみたいな蛇口をひねる