20120514

3362 忘れられてしまいたいの ねぇさくら淡く散るため咲いたのでしょう

3361 くちびるに触れた瞬間溶けてゆく媚薬仕込んでくるとかずるい

3360 溶けてゆく無糖ヨーグルトあの夏に飛ぶため優しくしない決心

3359 調合師みたいな魔法の指先でなぞるくちびる媚薬の香り

3358 頼もしく両手広げて待つ人に飛んでいけない理由ならある

3357 やわらかな恋を含んで腕のなか眠れ かなしい愛は忘れて

3356 未来など見えないひとと過ごす夏いま目の前の景色がすべて

3355 腕のなか傷ばかりつけてしまいそう委ねてしまうことがこわくて

3354 甘く甘く飽和してゆく脳内にさいごに残る君の残像

3353 ひと夏の一日のため重ねてく言葉はソーダ水の泡だち

KohagiUta

Kohagi Chihara|tanka & design|

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