お題:『明け方の並木道』を舞台に『月』という言葉を使ったお話

白んでゆく空の下、駅までの並木道を彼と並んで歩く。
離れ難くて、帰るタイミングを逃してしまった。
無言で歩いていると後ろめたいような恥ずかしいような気持ちになる。
「あ、月…」
見上げると西の空に白い月が残っている。
もう一度夜が戻ってくればいいのに…と小さく唇を噛んだ。

(2011.07.24)

KohagiUta

Kohagi Chihara|tanka & design|

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