お題:「手」 「快く」 「撫でる」

彼の手が好きだった。
手フェチだと自覚もしていた。
「また手見てんの?」
飽きれたように笑うその表情も、快く差し出してくれる綺麗な手も、その手を撫でる私を見守る優しい眼差しも、全部好きだった。
…手フェチじゃないと気付いたのは、別れの後。
そう、彼の手だから好きだったのだ。

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今はもう触れられぬ遠い手のひらの温もりをまだ忘れずに居る

KohagiUta

Kohagi Chihara|tanka & design|

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