お題:「昼のエレベーター」 「見上げる」 「飴」

真昼の狭いエレベーターに僕らは二人きりだった。
心なしか汗がひどくなった気がする。
「暑いね…」
彼女の顔をまともに見れず、何故か誤魔化すように天井を見上げた。
「良かったら、これ…」
彼女が何かを差し出す。
「スーッとする飴なの」
受け取る時、微かに彼女の手に触れた気がした。

KohagiUta

Kohagi Chihara|tanka & design|

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