2015.04.10 07:352015/4/47759 何もかも新しくしていい春だ取り替えますか次の彼女に7758 ひかりまたひかり見えなくなってゆく次のことばをただ待ちながら7757 ゆびとゆびふれあうことも躊躇いの街もう少し他人でいよう7756 会いたさが淡く溶けだす春いろの改札よわよわしく笑うひと7755 手をつなぎさくらを見たいたったそれだけのことです奇跡のような7754 「♪you are my fate」歌って気付く運命ときみを呼んでもいい春のなか
2015.04.10 07:352015/4/27753 カフェラテに憂いが溶ける今はもうブラウンシュガーのいらないふたり7752 たくさんのはじめましてを浴びながらここをわたしの今にしてゆく7751 待つ今も別れる今もいまはいま色とりどりにいつか咲く花7750 いつからかしたあとプリンを分けあって眠るいつものふたりの顔で
2015.04.10 07:352015/4/17749 一面の三つ葉を徹底捜査するまた新しい春が来ました7748 ひかりにも似たスピードで落ちてゆくブラックホール胸に飼うひと7747 ついさっきビールを注いだその腕に泡の数ほど駆ける心拍7746 絶妙な比率で注がれるビールまた新しい春が来ました7745 もうここは僕らの居場所ではないと蛍光灯が微かに割れる7744 校舎裏ひかりふる午後二時を待つきみの返事が温まるように7743 「じゃあまたね」小さな別れを繰り返し壊れてゆけばひかりのあした7742 去年とは違う目線と声がふるまた新しい春が来ました7741 嘘ばかりつく人でしたあんなにも好きだ好きだと言ったあなたは7740 たくさんの嘘とすこしの本当でできた歌ですという嘘です7739 確実に幻滅される...
2015.04.10 07:352015/4/57766 なにひとつ価値あるものは生み出せず石ころこぼす枯れた指先7765 はる(きっと遠足の前のこどもです)さくら(眠れず)もうすぐ会える7764 はちみつをたっぷりたらしたトーストでふたりの朝を天国にする7763 トーストをはんぶんこして真夜中のしあわせに鳴く空腹は満つ7762 あと少しあまい嫉妬を混ぜておく春を包んで焼くロールパン7761 たっぷりとジャムを乗せれば甘かったパン耳ばかり選んだ恋も7760 ふわふわと頭を撫でる「じゃあね」って言い出せなくてうつむくひとの
2015.04.10 07:342015/3/317732 今朝やっと上がった雨に磨かれてまた新しい春が来ました7731 黒ずんだ雑巾にさよならをしてまた新しい春が来ました7730 呼び慣れた呼び名が少し違和感に変わるちいさく離れるたびに7729 手触りをなくせば消えてゆくひとと思うぽっかり春のただなか7728 このままで忘れていこう唯一の心も心をもらったことも7727 ずるいことばかり願ってしまうから半径100キロ離れていてね7726 ただ声を聴くことすらも叶わずにもう消えてくれ澱みの春は
2015.04.10 07:342015/3/297724 近づいてくる雨があり予報では明日朝あたりさよならはふる7723 あまやかに他の人にも同じこと言っているのだあなたもきっと7722 おやすみも言えない夜にあぁそうかそんなふたりだ飲み込むことば7721 会いたさに雨ばかりふる青空とさくらを映す目蓋の裏で7720 毎日は小さな別れの繰り返し「ばいばい」「またね」(壊れてしまう)7719 もう何も話せることはなくなって口笛ひとつ逃す春空
2015.04.10 07:342015/3/287718 走り出しそうになるってまた言って好きよりもっとリアルな熱で7717 もうさくら一面さくらあのひとを浮かべるたびに塗るさくらいろ7716 浮かんでは消して浮かんで脳内の絵の具はさくらいろばかり減る7715 目に映るすべてのものに満ちあふれ零れてしまう春とあなたは7714 この先も一生叶うはずのないきみじゃないひとと見上げるさくら7713 ひとり見るひかりのさくら叶わないことばかりあるひとと知ってる7712 当たり前みたいに愛は描かれて黒いネズミに寄り添うミニー7711 長身のわたしもミニサイズたりえるきみの大きなシャツを羽織れば
2015.04.10 07:332015/3/267709 青空に頭は重く繰り返し足りない名前ばかりがゆらぐ7708 心地良い春ただなかにそれだけのきみと(ごめんね)雲を見ている7707 返せないなら手放してあげるべき最後の指はまだ開けずに7706 いつまでも心をくれるわけもなく春空を見る横顔を見る7705 飲み込んだことばの雫ひたひたと下書き欄に満ち満ちて海7704 また少しさよならをするこれからは半歩離れてとなりを歩く7703 からからと渇いた風が肺に抜け今日から少し遠くなるひと