2016/2/19

8666 061:版/初版本集める趣味を持つひとに初めてなんて鈍く吐く嘘
8665 060:菊/菊を買う 離れることを愛として葬るまでの白い逡巡
8664 059:ケース/ごく稀なケースであった 初めてのランチそれからさみしい夕日
8663 058:囚/後ろから囚われておくパステルの甘さがほしい春の宵には
8662 057:狼/雪の朝まっ赤なコートにつつまれて会いにゆくわたしの狼に
8661 056:蓄/青色のひかりを内に蓄えてその指に放たれる日を待つ
8660 055:心臓/取り出して眺めてほしいどんなにか君に色づく心臓だろう
8659 054:暴/足りなくて終わった会話 夕闇にまたさみしさが暴れはじめる
8658 053:波/波のようにすきだと告げて砂色の孤独を指に置いてゆくひと
8657 052:せんべい/しみしみとせんべいを食むそれなりに青い春から遠い二人で
8656 051:旨/諦めることだけ上手くなってゆきしらじらと足す旨味調味料

KohagiUta

Kohagi Chihara|tanka & design|

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