2015/5/28

7973 隠せどもかさりかさりと殻は割れ絡まるほどに髪に降るキス
7972 鬼は内 奥底ふかく押し込めて重いばかりの想いは隠せ
7971 笑みひとつ駅前に置く選ぶなら選べばいいの悦楽の鬼
7970 嘘つきね、後ろ姿も嬉しいとうそぶくひとの虚ろな笑みは
7969 息を吐くいとおしそうに息を吐く今から会いに行くなんて嘘
7968 甘皮の厚みの果てにあるのものを愛と思えばあたたかな息
7967 牛脂焼くなまあたたかな指先に焦がれてしまうほどの損壊
7966 笑む人と泣く人のいて境界に重ね重ねた修正テープ
7965 雨、きみのことばの粒が裏側をひそりと濡らしふたたびのすき
7964 駆け寄ればやむ雨はある文字よりもつよくてあまい腕の体温

0コメント

  • 1000 / 1000