2015/2/2

7376 さらさらと肩から落ちる黒髪の持ち主でした 次の相手は
7375 026:湿/つつまれることを失くしたゆびさきは湿度不足でぱくりと割れる
7374 025:さらさら/さらさらと二月の日差しに撫でられて乾いた頬がすこしこそばい
7373 024:真/ちっぽけな心の澱を溶かしてもいいかこんなに真っ青な空
7372 023:柱/改札の柱の陰で春風を纏うスカート おしまいのキス
7371 022:砕/すこしだけお酒を飲んだバランスの加減で砕ける自制を抱え
7370 021:小/今朝きみはいつもの声でおはようを言う小規模な別離を終えて
7369 020:亜/今カフェはまるで亜空間こいびとの口が終わりの形にゆれて
7368 019:靴/靴紐を結び直すため立ち止まるけして歩けなくなったんじゃない
7367 018:救/救い出す気もないくせに野茨をくぐって会いに来る王子様
7366 017:画面/あの頃のままにやさしく微笑んでくれる画面の中ならきみは
7365 016:荒/真夜中は荒ぶる時間失ったひとも持たないひとも等しく
7364 015:衛/ふうわりと春の空気は甘すぎて泣かないための自衛のマスク
7363 014:込/束縛も嫉妬も込みで受け入れる用意はあって合わない目線
7362 013:刊/新刊が出るたび疼く傷跡のあなたが好きな作家は嫌い
7361 012:おろか/おろかしいことですひと目顔を見るためだけにする四時間の旅
7360 011:怪/怪しいと思わせないで背を向けて携帯を見るその仕草とか
7359 010:玉/選ばれる準備はいつでもできている玉子焼きなら焦がさず焼ける
7358 009:異/もうあとはそれしかなくて探すドア異世界でなら結ばれていい
7357 008:ジャム/あぁいなくなるってこういうことなのかこんなにジャムの蓋が開かない
7356 007:度/会うたびに温度差を知る別れ際一度も振り返らないこととか
7355 006:婦/まどろみにあの日の不安を払うため婦人体温計を咥える
7354 005:中心/中心にあなたを据えて生きているだからこんなに空っぽな朝
7353 004:栄/虚栄心だけで繋いでおかないでもう一ヶ月声を知らない
7352 003:要/必要なことではあった大袈裟にあなたを傷付けておくことは
7351 002:急/そんなにも急がせないでくすぶった想いはいまだ熱ばかり生む
7350 001:呼/さん付けで呼ぼうと思う離れると決めた覚悟を見せつけるため

KohagiUta

Kohagi Chihara|tanka & design|

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