2014/4/18

5858 八朔を剥く指先の無骨さをずぷり捻じ込まれゆくためいき
5857 雨ならば距離０センチの細い肩「一緒に帰る？」歪な傘で
5856 スカートの裾ひらひらと春を呼び放課後かえてしまいたい距離
5855 くちびるを細いゆびさきに押し当てて目の色を見る（どこまでいいの）
5854 てのひらで上がった熱を分け合って（あとで抱くから）姉妹の顔で
5853 10分のデッサンを終えてもきみと合わない目線を楽しんでいる
5852 虚像でもそばにいられる心地してきみの名前の文字に置くゆび
5851 角膜を取り替えたくてどう映るかしらあなたを好きなわたしは
5850 つまらないものばかり生み出してゆく生体反応的必然で