2014/2/24

5626 080:議/本日の議題は「夜更かしのしすぎについて」夜更かししながら話す
5625 079:絶対/絶対に叶わないから言えること「ずっと一緒にいたい」「いたいね」
5624 078:棚/今だけはすべてを棚の上に置く何も持たないひとりとひとり
5623 077:聡/聡明なあなたの理性を打ち崩しひと時きりの獣に変える
5622 076:ほのか/甘すぎる水にほのかに色めいて帰るところを忘れたほたる
5621 075:盆/覆水は盆に帰らずびしょ濡れの恋の水面に飛び込んでみる
5620 074:焼/じゅうじゅうと派手に焼餅を焦げつかせうまく大人になんてなれない
5619 073:谷/谷間など存在しない丘陵を愛おしそうに撫でる手のひら
5618 072:銘/出張のたびに銘菓を買う人と小さな部屋で分け合う甘さ
5617 071:側/目を逸らしたら負けだからひたすらに側で見ているきみに吹く風
5616 会話からさり気なくでも完璧に排除されてるきみの姓のひと
5615 底無しの沼なら無理に足掻かずに沈むだけ愛せなくなるまで
5614 懲らしめてあげるだいじなものがあるくせに愛してなんて言うなら
5613 産院の待合室でただひとり命を望まないものとして
5612 都合など知らないけれど聞き分けのいいふりをしておくから撫でて
5611 あたたかなディナーではなくいつだってコンビニサンドイッチな恋だ
5610 070:しっとり/そんなにも満足そうに微笑むのしっとり濡れた中指をして
5609 069:排/排他的恋でも今はよしとする何ひとつ捨てられない背中
5608 068:沼/深淵の沼にずぶりと踏み入れたあなたを帰さなくていいですか
5607 067:手帳/きみといた唯一の証としての手帳に散らばる無意味なマーク
5606 066:浸/じわじわと浸食される秋よりも冬よりもきみに崩されて春
5605 065:砲/話すたび受ける砲撃まなざしも声も文字すら甘すぎる弾
5604 064:妖/妖しげな魅力を振りまくはずなのに撫でられてしまう膝上のネコ
5603 063:院/今月も院外処方で受け取ったきみと溶けあうための錠剤
5602 062:ショー/あの人の指先を思い出したくて素肌にやわく羽織ったショール
5601 061:倉/煩雑な心の倉庫の隅っこに並べて仕舞う過去になるひと
5600 060:懲/懲らしめてあげる疲れたなんて言う暇もないほど愛してあげる
5599 059:畑/あたたかな恋を何度も注がれて畑は夜毎きみを欲しがる
5598 058:惨/惨敗は確定している立ち位置でひと時きみを慰める役
5597 057:県/県道を避けて車を走らせてかならず終わる恋だと思う
5596 056:余/下腹部に余熱は残りワイシャツに隠されてゆく肌、まだほしい
5595 055:芸術/伸びやかに熱持つ四肢が絡みつきいま芸術にいだかれている

KohagiUta

Kohagi Chihara|tanka & design|

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