20120923

3873 君の書くシナリオ通りにしてあげる そろそろ疎遠になる時期ですね

3872 目隠しをされてるようだ空っぽな一日がただ静かに終わる

3871 溶け合った記憶を抱いて夏はゆく失くさないよう微笑んでおく ☆

3870 自らの重みで沈む夜もある選んで生きてきたということ

3869 鬼がくる時間 わたしのなかにいる君に意地悪したがる鬼が

3868 お風呂場のプラスチックの椅子みたく心許ない支えでいたい

3867 さよならをした場所であること以外とくに思い出なんてない駅

3866 竜巻になって君まで飛んでいくために重ねた苦い溜息

3865 なにひとつ成長せずに目の下のクマばかり今夜も育ててる

3864 もうダメだ もうダメだ ってさっきから君を召喚できない呪文

3863 少しだけ不安でいてよ「そんなには好きじゃなかった」とか言っちゃうよ

3862 何色が好きだろうとか指の先までいまわたし君だけに染む

3861 指先の白さばかりを見てしまう深夜受け取るあなたの写真

3860 太腿が特等席ね 助手席のかたい手のひら今日も攫うね

3859 僕のものなんて言わずに手のひらを掻っ攫ってよ 落ちてあげるよ

3858 好きなんて言えないはずの手のひらにいま甘やかにざわめく鼓動

3857 こんなにも耳許にいる君の手はどれほど贅沢品なのだろう

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☆印は他の方への返歌として詠んだ歌です。

KohagiUta

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