20120520

3430　指先に甘く滴る恋に似たもので繋ぎ止めていてね今は

3429　思い切り抱いててどこにも飛んでいかないよう余所見して泣かないよう

3428　やわらかに微笑み抉ってくれないか いつまでも囚われた心臓

3427　遠くなるたびに忘れてしまえると期待してまた突き落とされて

3426　壊れちゃえ壊れちゃえ幸せなままあの子の上で羽化してしまえ

3425　どちらとも本心でした幸せを願うも嘆くも正しくわたし

3424　幸せになってください永遠にわたしの耳に届かぬ場所で

3423　良いことで正しいことで喜ばしいことで君など壊れてしまえ

3422　ほたほたと零れる想い掬いあげ意地悪く笑む君と飛ぶ夏

3421　夏空に半袖ゆれる凍えた目した君を今ぎゅっと抱くから

3420　堕ちた手で辿る曲線 内側のどこかがきゅうと鳴く音を聴く

3419　次に逢う日には切られているだろう絡み合う髪の先まで愛し

3418　くちびるで解き明かしてよ繰り返す波の合間に隠したひみつ

3417　屋上で見える限りのこの空をふたりじめして青すぎる春

3416　囁きと視線と温度交わし合う深夜の駅構内に潜めば

3415　やわらかなキスで始まる旅にでる世界すべてを知りたい人と

3414　制服のボタンをひとつ開けておく放課後を待つ君への合図