20120503

3251　雨音が隠してくれる初めてのくちびる重ね漏れる息、声　★

3250　しとしとと身体の芯に降り沁みる君の言葉の雨は紅色　★

3249　少しずつ強くなる雨この指を離したくない傘はささない　★

3248　風呂上りみたいにさっぱりした顔で春雨くぐり会いにきたひと　★

3247　あと少しだって知ってるこの雨が上がってしまうまでの隣人　★

3246　雨色に染まる君の目さよならを告げた瞬間いちばん綺麗　★

3245　青空を少し掬って炭酸を混ぜてレモンを浮かべた青春

3244　溶けてゆく氷の音と雨音とそれだけだったふたりきりカフェ

3243　唐突に覆いかぶさる強大な闇の名前を知った せつなさ

3242　触れるのがこわいんだって好きなのに触れないでいるほうがこわいわ

3241　あと少し近付いたっていいじゃない「すき」って音だけじゃまだ遠い

3240　キスくらい誰とでもいいけれどいま手を繋ぐのは君じゃなきゃ嫌

3239　やわらかな手触りでいたい 言葉とかこころ、表情、消せない視線

3238　半月もすれば心は消えるだろう所詮わたしを好きじゃない人

3237　好きじゃない人を好きだと言うような腐食した嘘重ねては雨

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★印は「#rain75」という企画で詠んだ歌です。
　「雨」をテーマにして詠むというものです。