20120412

3097 ねぇさくら淡く色づくわたしなら欲しいと言ってくれるでしょうか

3096 さよならの代わりのキスも出来ないで蕾のままの唇は泣く

3095 改札の波が確かに連れてくるあと少しだけと伸ばした別れ

3094 ぼんやりと揺れる右手をただ見てる触れたいなんて言えない こわい

3093 ひとつにはなれない帰りみち手すら触れられないの嗤ってさくら

3092 ほしいって言ったらくれた?指も手も鼓動も午後の君ごとぜんぶ

3091 指先も髪も万全ひらふわのスカートにすら揺れないね、君

3090 映画など観たくもないよ二時間もひとりとひとりきり過ごす午後

3089 「どうせならソファに座れば?」何気ないすべてが合図みたいな空気

3088 この角を右ねと指したその指にこのあとたぶん触れるのだろう

3087 駅からの道にふたりで見るさくら淡く色づく術をおしえて

3086 届かないあと数センチの指先と蕾のままで交した目と目

3085 ひとりよりふたりで歌おう新しい音が生まれてとけてゆく春 ☆

3084 ポケットに指先くゆる知らんぷりした横顔を崩してみたい

3083 初めての音を奏でる君と僕交わることもないまま螺旋

3082 淡すぎる蕾が咲いてしまったらあとは散るだけ想いよ咲くな

3081 あの午後を見てたさくらが散ってゆく未だ咲けないわたしを嗤う

3080 春荒れの名残りの雨をしのぐためこの身ひとつで傘になろうか

3079 本物に今はしないと言う君の笑顔に淡く殺されてゆく

3078 忘れてと言えない関係 知らぬ間に咲いたさくらに爪を噛む朝

3077 渦巻いた思考を少し取り出して消えてしまえと放つ春空

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後ろにお題のあるものは題詠blog2012に参加して詠んだ歌です。

KohagiUta

Kohagi Chihara|tanka & design|

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