#7days100tanka 100首まとめ

2012年3月6日正午~3月13日正午までを期限として、
1週間で100首詠む!という企画がTwitter上で開催されました。
わたしも3月6日夜から参加させて頂き、3月11日の明け方4時に無事100首完走!
合計4日と7時間の楽しい旅でした。

ここにその100首をまとめます。
即詠で拙い歌ばかりですが、それもまた自分への今後の戒めとして!(*`ω´)キリッ

-----------------------------------------------------------------

名前すら知らない君を知りすぎてひきちぎられるようなさよなら【100/100】
覚悟なら出来ていたはず喜びで隠した雨を知る人もなし【099/100】
しあわせなことです もちろんうれしいです だから許して今だけ泣くの【098/100】
錠剤をふたつぶ飲んでわたしから幕引きをする たぶん正しい【097/100】
たまごすら産めないからだ でも君に愛されるにはちょうど良かった【096/100】
固執する心にはプロペラつけて放つ朝にはまた友となれ【095/100】
もう一度過去に飛んでもまた君に惚れるし惚れなきゃ容赦しないし【094/100】
もしもって後悔はしたことがない必然ばかりの運命にいて【093/100】
遠過ぎる僕らの距離はドア一枚開けなくなる日がくるなんて【092/100】
いつだって遠回しだね「アイタイ」と固形の声をぶつけてみてよ【091/100】

眠い目をこすって交わす文字の列いつか脈打つあなたに触れる【090/100】
真夜中に秒針だけは囁いて君との時を過去にしてゆく【089/100】
犯人の心地で消し去る痕跡のあとはこの身に残るものだけ【088/100】
新品のテーブルクロスを敷き直し何もなかったことにする午後【087/100】
0.5秒で行けるね君の街ただし地球儀上での話【086/100】
地球儀を回して辿る指先は世界の空を裂く雲となれ【085/100】
チョコレート含んだままでするキスのエグみ邪道と知ってる恋は【084/100】
ぬかるんだ道などなくて雨靴に似つかぬブーツがアスファルト打つ【083/100】
水彩に溶けてゆく街 新しい傘も滲んだ景色のひとつ【082/100】
雨の日の空いたサロンに落ちる髪 記憶と共に捨てられてゆけ【081/100】

新しいあなたの恋を知るためにスカートをはく外気温5度【080/100】
裏切りを欲しがる人と生きる日々 軸は確かに傾いている【079/100】
三月は女に戻る月として手始めに買う花柄ワンピ【078/100】
掠れゆく記憶の声にまだ溺れ実在しない指食む波間【077/100】
シロナガスクジラに乗って布団まで運ばれている夢を見る夢【076/100】
眠気でも人は死ぬかも恐ろしい思考に眠気も飛…ばない眠い【075/100】
チャイム聞く瞬間消えるなっちゃんはコロッケパンで出来てるらしい【074/100】
授業中ぼんやり空を眺めてるなっちゃん ここは窮屈だよね【073/100】
秘密ねと更衣室で言うなっちゃんのお腹に時計の絵が描いてある【072/100】
ハードルを飛べない子らになっちゃんは「シリウスに向かって飛べ!」と叫ぶ【071/100】

青春の塊みたいななっちゃんが言う「あたしたちソーダ水なの」【070/100】
「告るなら飛び魚の勢いでいけ!」たまになっちゃんの例えが謎い【069/100】
風邪ひきのメール心は桃缶を買いに走った500キロ先【068/100】
恋からは遠いあなたのぎこちない誘い 気付かないふりしておくね【067/100】
突然の雨に降られてこの春におろしたばかりのパンプスは泣く【066/100】
さよならは言わない狡さ気が向けばまた片想いしたっていいし【065/100】
電脳の網張りめぐる今にいてそれでも距離は恋を断ち切る【064/100】
この線路辿れば始まる恋もある けれど恋にはしない約束【063/100】
シャム猫のふりして君から心地良い愛届くまで眠っているわ【062/100】
前をゆく君の長い影 踏切が開くまでひとつに重なる僕ら【061/100】

借り物のシャツの裾ばかり気にしてる想定外な朝の珈琲【060/100】
甘やかな飛沫を散らしオレンジはこれから君の一部になれる【059/100】
潮騒をまぶたの裏に泳がせて碧緑色の表紙を開く【058/100】
水分で満ちた空気に飛ぶ魚みてたわたしは過去に置き去り【057/100】
さみしいと囁く桜さやと散るひと春だけの君との終わり【056/100】
呼吸するたびに零れる金平糖あまい溜息の結晶として【055/100】
溢れ出す言葉すべてが花ひらき君の心に棲む春となれ【054/100】
空気すら自分のものにする気なのくわえ煙草の放漫なキス【053/100】
爪先の減ったパンプス君といて背伸びばかりの疲れる恋は【052/100】
クレパスで丁寧に描く星座図にこっそりと足す僕らの名前【051/100】

体ごと君に預けて目を瞑るくじらの海にたゆたう月夜【050/100】
ざわざわと桔梗は揺らぐ見ないでと すべて忘れてひとり生きよと【049/100】
清らかな霧雨浴びて旅立ちのシャンパンシャワーとしてみる独り【048/100】
傷ばかりもらう気がして心だけ機械仕掛けに改造しようか【047/100】
約束もないカフェテリアで君を待つ いつか化石のわたし見つけて【046/100】
あわ玉を酸素代わりにほりこんで海中散歩に出かける土曜【045/100】
青色のカーテンを好きになる魔法ください次の恋もください【044/100】
ベランダで褐色の髪晒すひと見惚れないよう啜るカフェオレ【043/100】
鏡には傘さす人が映っててわたしそんなに頑なかしら【042/100】
欲張りな片手に貝殻溢れさせ零れてゆくのと泣く恋してる【041/100】

孤独だと鳴くオルゴオル穏やかな孤独すなわち自由と諭す【040/100】
お揃いのオレンジの香を泳がせて離れて歩く駅までの道【039/100】
舞茸を指で崩してしまうとき壊されていた春夜を想う【038/100】
煙突の並ぶ絵葉書 あぁ君はわたしの知らない街を生きるの【037/100】
何処へでも連れて行くなどと言う人に宇宙旅行をねだる悪戯【036/100】
海へゆくあなたの抜け殻だけ連れて今はこんなに自由なわたし【035/100】
うさぎうさぎ月を映した硝子窓にはしゃぐ僕らの深すぎる宇宙(そら)【034/100】
色褪せた椅子漕ぐ乙女のくちびるはいちごの赤に侵されており【033/100】
翠色のインクで描く三月のスコア祈りの息吹ともなれ【032/100】
見逃してくれないかしらアンタレス無駄な嫉妬は今夜で終わり【031/100】

アクセサリ微笑み受け取る内側であなたのものになれない矛盾【030/100】
飴玉を噛み砕きつつ帰る道この身も焼いてしまえよ夕陽【029/100】
逃げ惑うアスパラガスを突き刺して微笑む人と甘い日常【028/100】
駆け込んだ軒下しとり雨宿りアンモナイトがゆくアスファルト【027/100】
淡すぎる記憶は既にアンティークいつか価値など見出せますか【026/100】
雨上がりみたいにさっぱりした顔でありがとうと言う人との別れ【025/100】
てのひらの鈍い痛みを享受して重い扉を開けば世界【024/100】
ありふれたふたりで生きる日常に特別すぎた手を繋ぐこと【023/100】
エンジンの音にも春はくるらしい鼻歌溶ける始まりの朝【022/100】
この青が赤に変わる頃キスをしてそれまで最後の友達でいて【021/100】

春色のストール巻いて飛び出した君に凍える一時間前【020/100】
ゆるふわをコンセプトとして生きていくため必要な君のいたわり【019/100】
冴え渡る午前二時半 虫ケラの愛を考察して待つ眠り【018/100】
何日目かの曇り空 薄絹を通った光が撫でる憂鬱【017/100】
ひんやりと輪郭伝う雫あり鈍色の空を原因とする【016/100】
言葉って根刮ぎ逃げてゆくらしい向かい合うまま5分の沈黙【015/100】
完全に消えてしまいたいとき君に最後の晩餐代わりのキスを【014/100】
土砂降りの愛には傘をさしましょう君がいらない青空の下【013/100】
いろいろと捧げるために来たけれど奪った愛は捨ててもいいか【012/100】
「また今度」交わした駅で「また今度」交わすあの日の君じゃない人【011/100】

偽物を大事に抱え待つ君はわたし以外に愛されるべき【010/100】
心臓がじわじわ疼くあと一時間であなたに触れる水曜【009/100】
「いろいろとしてやっただろ」久々に聞く声淡く蜜蜂の男(ひと) 【008/100】
あと少し乙女をかたっていいですか桃剥く指に溜息は降る 【007/100】
風呂上り肌表面から連れ立って旅立つ水分たちに黙祷 【006/100】
湯船にて氷まぶたにひたりあて試みている涙腺凍結 【005/100】
空を裂くナイフを舌に隠し持つ君はいつものフルーツ牛乳 【004/100】
少しだけうしろめたくもある朝に次の紅茶の缶封を切る 【003/100】
すれ違いばかり雑多に積み重ねジェンガのような崩壊を待つ 【002/100】
「成分:春」らしき雨粒寄せ集め庭とわたしに撒く午後三時【001/100】

-----------------------------------------------------------------

025からは「あ」から順番に、あいうえお…と、
それぞれの音から始まる単語を詠み込んだ短歌だったり、
069~074は「なっちゃん短歌」だったり、
91~95はドラえもんの「ひみつ道具短歌」だったりと、
いろいろ短歌で遊んだりもした楽しい追い込まれ感でした。

またこういう企画があればぜひ参加してみたいです(*´∇`)♪
企画してくださった方、一緒に走った参加者の皆様、
本当にありがとうございました!(*・ω・)*_ _))ペコリン

0コメント

  • 1000 / 1000