20100803

0272 君という蜜知りて我はふらふらと心漂い家路を探す

0271 わかってはいるのだ 帰る場所があるこれが幸せというものなのだ

0270 ふらふらと酔った足取り君ならば手を取り笑う「仕方ないな」と

0269 星空をひとり見上げて歩く道このまま攫いに来てくれないか

0268 暗闇に外灯ぽつりぽつり点きただひとりきり今だけの自由

0267 「今だけは忘れるくらい抱きしめてあげる」と煙草に小さな嫉妬

0266 ベランダで白き煙吐く横顔にどきりとするなど計算外で

0265 「ごめんね」と口を濯いで吾を抱く君の指にもタバコの匂い

0264 深いキス漂う煙草の残り香は濯げど消えぬ君からのシルシ

0263 コンビニのレジの後ろを二度見して君の煙草に気付いた真昼

0262 ベランダに立ちて煙草に火をつける君の律儀を抱きしめたくて

0261 行き先は見えぬ恋なれど今だけは君からもらう海のさざめき

0260 携帯をただ見つめるより他にやることがあるだろう八月の僕

0259 君からのメール待ちつつ飲むコーヒー 冷たく甘く苦味もなくて

0258 思考する私に飽きてまた同じ思考しない日常に帰るだけ

0257 退屈なわけではないの ただ全て「そこそこ」なのに飽きただけなの

0256 この恋が本物だとは知りつつもシーツの白さは見ないふりする

0255 太陽の熱さえ届かぬこの部屋で燃える肌した君に溶かされ

0254 君のその熱い吐息と落ちる汗 氷ですらも溶ける熱情

0253 クーラーの効き過ぎた部屋で君の肌 寒いからと抱く言い訳をする

0252 熱き頬 確かめるように口付けて始まる 短い夏の一日

0251 カーテンに光落として夏の陽は急かす リネンにくるまる私

0250 今日もまた空白むほどに君だけを想い続けて赤い目でゆく

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返歌合戦と、煙草短歌。
でもタバコは苦手です。ホントはものすごい嫌煙家です…。

KohagiUta

Kohagi Chihara|tanka & design|

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